あすみ班 録音部インタビュー

あすみ班が誇る録音部。井上世蓮さんと遠藤愛子さんの座談会をお届けします。こんにちは、あすみ班ブログ担当の佐藤優里奈です。この二人がいたから撮影が楽しく過ごせたと全班員が思うほど、謙虚で優しい二人のインタビューです。
これを最後まで読んだら、あすみをみた後に感じる感想に奥行きが出ると思います。

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ーあすみを選んだ理由から教えてほしいな。

せれん:脚本におばあちゃん、女子高生、小さい女の子という年代がバラバラな3人が絡んでいるのが面白そうって思ったからかな。いろんな世代の人とやってみたい。友達みたいにならないで、自分の経験になりそう。
それと、脚本のよしあしというよりも監督の人柄。自分自分って感じじゃないのが良かったな。佐々さんの私もわかんないから一緒にっていうスタンスに惹かれたんだよね。

あいこ:全部の脚本を読んで、直感で一番面白いって思った脚本。色々関わっていくうちに、佐々さんと私何かが似てるってことに気づいて、感性とか。後々考えるとそういうとこで共鳴して選んだのかなって思う。

ー佐々班に対する印象は?

せれん:実際いい人しかいなくね?いい意味でも悪い意味でもいい人しかいないから、結局ぶつかり合いとかはなく進んでるよね。それが作品としていいのか悪いのかはわからないけど。全員の悪いとこが見えない状態で撮影にはいって、それでこの人のここ無理っていうのもやっぱり出てきて。でも結果的にそこも含めてもっと好きになったなって感じかな、今。

あいこ:主張は激しくないけど、すごい個性豊か。みんないい人っていうのは前提としてね。

せれん:それ俺も言おうと思ってた笑
あいこ:それぞれ尊敬するとこもあるし、面白いとこもあるし。
せれん:そうそうそう。

あいこ:責任感もあるし、真面目だけど仲良く楽しくできるみんなの集まり。

せれん:大学の授業で、大体関わる人の尊敬できる部分まで見つけられずに終わってしまうことが多くて。無理だなって思っちゃうのは自分の責任でもあるんだけど。でもこの授業では、班員一人一人の尊敬する部分がじゃんじゃん見つかってって。その輝いてる部分を全部作品に落としこめないかなって思って動いてた。

ー泣ける。

せれん:この人のこういうところに助けられたなっていうのが具体的に浮かぶんだよね。一人一人。だから最後まで続けられたんだろうなぁ。あんまり最後までついていけたことがなくって。だからみんなのおかげ。まぁ頑張ったけどね、俺も。

あいこ:頑張ってたよ。キャストさんもね、恵まれたよね。
せれん:確かに。結局、そういう人たちを集められたっていう佐々さんの脚本がすごいんだろうね。
みんな:おぉ〜、選んで良かったね。

ー撮影をしてて楽しかったこと、やりがいはなんかあった?

せれん:みんなでいろんなとこにロケ班に行ったことかな。ぐちぐち言いながらたくさん回ったからこそみんなのことたくさん知れたかな。あんま飲みにとかも行けなかったからね。夏場から最後までたくさん行った!実際使われたし。

あいこ:全体的になんだけど、みんなに会えるってだけで楽しかった!居心地が良かったから。あと、できた映像をみながら、「あ、ここせれんくんの道!、ここカメラがこだわってたとこ!」思い出したり、自分が言ったとことかが反映されてた時にやりがいを感じたな。

ー大変だったこととかある?

せれん:ロケハンで、監督の佐々さんが忙しすぎるから来れなくて何回も行くことになったことかな。丘とか全部で10回くらい行ってるからね笑
あいこ:すごい行ってくれたよね。

せれん:あとは実際に歩いて公園見つけるっていうのが大変で。実際みなきゃ行けないから、はやちゃん(照明、美術)と一緒にずっと歩き回って。許可とって、毎回揉めながら交渉して、頑張った結果ロケ地が使われないっていう笑 まあ映画撮影全般に言えることだけど。録音で大変だったのは、意外と世界が音で溢れてるってことかな。マイクで聞くと、鳥とか車とか気になるし。それを止めるのが大変だった。

あいこ:制作で消えもの(食べ物)を担当してて。録音をしながら、何シーン後にこの状態で何が必要っていうのを気にして。私の不手際一つで、このスケジュールが崩れてみんなを待たせたら終わりだなって思ってた。この立場でっていうのが頭のどこかにあって。録音としても、うちらのせいでとめるわけにはいかない…でもこれとめないと後でうちらが苦しむっていうのの匙加減が大変だった。あとこれからの整音ね。

せれん:そうだね。音のことを考えるととめたいけど、このまきまきの現場でとめるわけにはいかないっていうのがきつかったな。

あいこ:渋い顔されたらどうしよう…後で頑張ろう!って。

ー1番目立つわけでもないし、その場で全員確認できて納得できるわけでもないからこそね。

あいこ:自分にしか聞こえてない世界があるのよ。
せれん:あ!!それが理由でさ、最初は正直にリテイクの理由が言えないから、音のせいにされたこともあったよね笑 辛かった〜〜〜笑

ーやりがいより大変だったことの方が尺長いっていう笑
映画が全部終わったときにどう思うと思う?

せれん:全部やりきったと思えたらいいものになってるはずだし、それにクレジットがつくから頑張ったものとして残るのが嬉しいって思うかな。一生の思い出になるかもね。

ー学んだことはなんですか?

あいこ:技術的には、こんなに準備が必要なんだっていうのを学んだかな。人間的には、私同調しがちというか、思ったことを言わずに自分を守って生きてたんだけど。みんな会議する時、何回否定されても自分の意見いうじゃん。その意見が映画をいいものにもっていくから。遠慮してちゃダメなんだなって。野原くん(制作)に「なんでそんな遠慮してんの。」って真顔で言われたんだけど、少しはましになれたかなって。

ーそこがあいこちゃんの良さでもあるけどね。

せれん:あいこちゃん出しどころうまいよね。あぁなるほどなって思えた。俺も同じだったんだけど、映画を第一に考えたら言おうって思えた。一回思い切って言って全然ダメだったけど、達成感が残ったなぁ。

ー2人とも人に意見をいう時にワンクッションあるタイプだなっていうのは最初から感じてたんだけど、それも残しつつ言えるようになってるからハイブリッドになったね。

せれん:最強になったよね笑
あいこ:録音部最強笑

ーこれからの整音でこだわるところは?

せれん:セリフを鮮明に聞こえるようにすることと、それにあう音を作ることかな。

あいこ:せれんくんが言ってたんだけど録音ってピッチャーとキャッチャーで言ったらキャッチャーで。ミスったらすごい言われるんだけど、すごいうまくいっても何も言われずにその人の中にはいってく。

せれん:いつも褒められるのピッチャーだもんね。
あいこ:だから褒められなくてもいいから、すってみんなの中に入るような音にしたいなって思うかな。

ー映画の脚本は佐々さんが、カメラはいとりかが責任をおうじゃん。その中で30分にわたって流れ続ける音は二人だけが全責任をおえるんだね。それが残るっていいな〜。

あいこ:そうだね!確かにね。頑張る。

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絶賛整音中の二人に昨日会ったら、5日連続で泊まり込み後でも優しくてほんわかの二人のままでした。これがどれだけすごいことなのか、二人がわかってないとこがまた魅力な気がします笑
あすみ班、皆様に最高のものが出せるように最後まで全力です!上映会、楽しみにしていてください。
2021.1.14(木)