『花と修羅』山崎監督インタビュー

こんにちは!映像制作実習2022『花と修羅』広報担当の佐々木です。
本日は『花と修羅』監督の山崎春風さんのインタビューをお送りします。

作品の魅力、監督や班員の雰囲気などお伝えできたらと思いますので、ぜひ最後までお楽しみください!

我らが監督の山崎春風さん
『花と修羅』あらすじ

四谷の女子校に通う緑。書道部の後輩だった花が死んだある日、赤い髪を持つ少女、伊和が転校してくる。大人しかった花とはまるで正反対な、自由奔放な伊和が書道部に入部したことで、何かと振り回される緑。しかし、徐々に、緑は伊和を通して、見えていなかった、見ようとしていなかった花の姿を発見し始める。


——まずは映像制作実習を取ろうと思った理由を教えてください。

2年生のときに是枝監督と土田先生が担当されている「マスターズ・オブ・シネマ」をとって、その授業内で映像制作実習の話を聞いたのがきっかけです。映画が好きなので、映画サークルには所属していたけど、他に2つサークルを掛け持ちしていたこともあって、そこではヘアメイクの手伝いやエキストラをせっせとしてるくらいでした。でもみんなが思い思いに好きなものを作っている姿を見てるのは、とっても楽しくて憧れはありました!


——『花と修羅』を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

所属している演劇映像コースの児玉竜一先生の授業で、十八世中村勘三郎丈がお岩役を演じる「東海道四谷怪談」の歌舞伎の映像を見たことです。有名な「お岩さん」の話なんですが、鶴屋南北の世界の構造を足元からひっくり返すような物語や演出に震えました。そして勘三郎さんのお芝居が、もう……!怪談なのにすごく身につまされて……真っ暗な教室の中で静かに泣きました(笑)
これを、舞台を現代の女子校にして、さらにイワナガヒメの神話と絡められないかなと思ったんです。最初に考えた話は、恋人同然の後輩が転落死した日に、赤い髪を持つ少女がある過去を抱えて転校してくる。主人公の目には、転校生の頭の上に一本のツノが写って……というもので、篠崎先生に「これじゃつくるのに1億円かかるよ」って言われて(笑) それからは、毎週プロットを書き直しては先生方の講評を受け、をひたすら繰り返してきました。


——『花と修羅』というタイトルの意味は?

花という女の子の死から物語が始まるのですが、修羅というのは鬼を意味しています。花嫁さんの「角隠し」って怒りの象徴である角を隠して、従順な妻になる、という意味があるんですよね。正反対の個性を持つ女の子が出会い、花の、そして自分の隠し持っていたツノを発見していく、という物語を描きたいな、と思いました。宮沢賢治はもちろん好きです!


——自身も女子高出身とのことですが、各登場人物と監督の共通点などありますか?

ないない全くない(笑)


——ないの?(笑) じゃあ逆にどれくらい違うとかは?

いやあ、緑みたいなボーイッシュで凜としたかっこよさもないし、伊和みたいなふてぶてしい強さもないし、ましてや花みたいな可憐な感じなんてないからまったく違いますね…… (笑) 緑みたいにかっこいい同級生や先輩は何人もいました!


——次は、制作で苦労したところを教えてください。

一番はやっぱりプロットですね。もはや映像制作実習じゃなくてプロット制作実習だってくらいプロットでは苦労して(笑) それでも班員も先生方も良くなるように、一緒に頭を悩ませてくれたので、本当にありがたかったです。所属しているミステリ研究会でインタビューさせていただいた太田愛さんの、「プロットが命だから」っていう励ましのお言葉も忘れられないですね。自分のこだわりを一度捨てるということが、中でも一番苦労したことかもしれないです。
あと、ツノを象徴する生き物としてカタツムリが出てくるんですが、撮影開始時にカタツムリが冬眠期に入ってしまって(笑) カタツムリを探して東奔西走するぞと思い詰めてたんですが、無事手に入りそうでよかったです!


——班はどんな雰囲気ですか?

班は……なんて言えばいいんだろう、みんな自分の意思や自主性を持って参加してくれる人たちしかいなくて。ウェイウェイ盛り上がるタイプじゃないけど、胸の中で静かに炎が燃えてて、触るとアチッ!みたいな(笑) 私以上にしっかりしてるし、真面目だし、みんな自分の作品だと思って真剣に向かい合って、話し合いでもたくさん意見やアイデアを出してくれる。感謝感謝の日々です。


——意気込みをお願いします!

これから撮影が本格的に始まるところで、監督っていうガラじゃないので不安はあるんですけど、そんなことを言ってる場合じゃないので、がむしゃらに頑張りたいです!(笑)


——最後に、『花と修羅』の見どころは?

???「美しさ美しさ!画面の、粒子の流れの」

あ〜今のは、“BYなつや”で(笑) (突如インタビューに乱入してきたなつやくんは、鬼の人脈を持つ班の一員です!)
いやとにかく、主役のお二人が魅力的です……!緑役の田幡妃菜さんは、17歳なのに役のために坊主になったこともある肝の据わった役者さん。眼差しの強さ、美しさに、緑はこの人しかいない!と思いました。伊和役の瀬戸真莉菜さんは、砂糖菓子のように可愛らしいのに、役に入ると奔放で不穏な空気を醸し出す伊和そのもの……度肝を抜かれました。
制作面では、きっと「うわ〜まだ若えな〜!」って感じるところもたくさんあると思うんですけど、逆にその不安定さや揺らぎのようなものを楽しんで観てもらえたら嬉しいです。

ありがとうございました。制作がんばりましょう!!

-上映会情報-
日時:2023年1月21日(土)
場所:早稲田大隈講堂
入場料:無料
4作品上映予定
※新型コロナウイルスの感染拡大の状況により、変更、中止の可能性がございます。

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